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牛が岳、大兜山、横断 第2話 2022年3月15日(火)

井戸尾根で休憩するころはもうすっかり明るくなっていた。
休憩の後は森林限界を超えて無木立の雪原
ここからは濃霧で前が見えなくなり始める。
先を進むZさんの後を見失わないように必死でついていく。
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どこを歩いているのかも分からなくなってきたが、だんだんと傾斜は急になってきているのでニセ巻の手前なんだろう。
シールも効かないほど雪は硬くなっていたので、無理をせずアイゼンに履き替えて登った。
気がつけばニセ巻機
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Zさんとニセ巻、そしてガス
ここで8時
避難小屋付近で休憩し巻機山最後の登りを越えた。
山頂に行くほどガスと風が強い
ここから牛が岳へ行くには、視界が悪すぎる
どうするか相談した結果、風よけのイグルーでしばらく様子をみることに
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今年購入したスノーソーで雪をブロック型に切り出して、積み上げて
他愛もない会話で時間を潰すもなかなか視界は開けない
ここでしばらくしのぐこと2時間
諦めかけたころチラホラ晴れ間が・・・
今しかないとばかりに板を履きなおし。牛が岳へGO!
牛が岳は風が強いところなので、雪が積もらずカチコチのシュカブラ
牛が岳からはスプリットをツアーモードからライドモードに変えて
いざご褒美の滑走開始
といいたいところだけど、雪が積もっていないので滑るというか横滑りで降りるだけ
ああ~ なんだか勿体ない
しかも視界もないし
意味もなくただただ標高をさげる。
1600m付近だろうか、ここら辺から牛が岳の北東斜面で雪がフカフカに積もっている場所
せめてここくらいは視界いい時に気持ちよく滑りたい
視界が抜けるのを待ってみた。
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晴れた―――――!
さぁ滑りましょっと思った瞬間
「雪崩れてる」とZさん
まじで
確かに大兜山へと登るルートの上部に亀裂発見
それにくわえてかなり急登ですこと
日当たりも良くなってきたうえに、ここで12時半
んん~ 危険なにおいがする
さんざん悩んだ結果ここで撤退することに
前日の気温の高さが仇になったが、命あってのバックカントリーだ。
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ここからが地獄だった。
シュカブラの牛が岳北東斜面はシールが効かず
アイゼン、スノーシューで登り返し
そして何といっても風が強い
というかもう、台風クラスの強風に変わっていた。
板をザックに括り付けていたので風にあおられてまっすぐ歩けない状態
少し歩いては体がもたず伏せて休憩を繰り返した。
やばい。全然前に進めないが、体力温存しながらゆっくり進むしかない。
こんな時こそ、行動食を口にしてスタミナをつけなくては
コンビニで買ったどら焼きが甘くて力がみなぎる。
つづく・・・